極寒地ならでは、天然凍みこんにゃくはジューシーなのだ!~新庄村の冬の過ごし方④
カテゴリー: 食
自然が作り出す絶品!
ここ新庄村の冬には冷蔵庫が必需品だ。凍らせないためである。しかし冬になるとこの寒さを利用してわざに「凍らせ」たい食べ物がある。冷凍庫がなくても自然の力で天然物の「凍み」コンニャクが作れる。この凍みコンのおでんがたまらない。ほおばると「じゅわ〜」っと、あっつ熱のおでん汁が口いっぱいに染みわたり、味気のないコンニャクとは思われぬ絶品に変化するのだ! お腹の底から笑顔が広がるのだ。豪雪地新庄村ならではの味わい、ごちそうである。
屋内でもペットボトルの水が氷る冬の寒さを逆手にとって…
自然にと言った通り、水道管が凍ったり、外のバケツに氷が張るような凍みた夜に(想像できないだろうが、昼間でも構わない)コンニャクを水に浸したまま土間にでも置いておけば、できあがり。コンニャクは当然手作り。だって、雪が積もりすぎて、除雪車がなかった一昔前は、買い物にも出られなかったらしい。冬になると農作業もできず、どこの家庭でもいそいそとコンニャクを作っている。手間といえば手間だが、案外拍子抜けするくらい簡単にできる。少なくとも車で片道 30分も離れた町まで買い物するよりは、化粧したり、おしゃれしたりする時間にでも出来上がるほど手軽。
一期一会の味わい
コンニャクに限らず、手作りそのものが難しいとされるのは、秘伝のレシピというものがあるからなのだが、それがその家特有の「さじ加減」があって、これが数値化されていないから困るのだ。だから、神武以来「買うたことがない、手作りばっかり」というおばあちゃんでも、実は作るたびに毎回違うというのだから、それこそコンニャクといえども一期一会。気軽に作って楽しく、味わい深くいただこうではないか。少々作り損ねてもご愛敬だ。
ざっくりと、コンニャク作り
さっそく我が家でもコンニャク作りに挑戦してみた。板コンと玉コンとあるのだが、それぞれの師をみつけて分量とやり方を習ってきた。ざっくり言うと、まずコンニャク芋を茹でる。茹で汁と一緒にミキサーにかける。それをたらいで湯ごねする。炭酸ナトリウムを加えて弾力が出てくるまでひたすら混ぜる。それを型に取って茹でる。素人でも 2時間あればできてしまう。先生のところへもっていったら上出来と褒められた。
凍みコンが食べたい!
できたコンニャクを茹で汁につけておくと、寒い日に凍みてくれる。少し穴の開いたスポンジ様のコンニャクが、ジューシー。おいしんじょーそん。レシピはあえて公開しない。気持ちがキリッとする極寒地の美しい白い冬と、温かい美味しいおもてなしを味わいに、新庄村まで足を伸ばしてほしい。
ライター 臼井崇来人
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