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Tele-log かわもと

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変わりゆく世界で

最近は作品の制作をしながら価値観について、ずっと考えていました。私はいつか、海外で個展をしたいという目標があります。今はコロナで全世界が揺れていますが、無事にこの荒波を乗り越えた時は叶えたい目標の一つです。

この新型コロナウイルスで、展示会というものも変わるかもしれないようです。
展示会は、アーティストの世界観を体感してもらうため、個展の会場でさまざまな仕掛けを取り入れて展示をしています。しかし、人が集まりやすいエリアの会場は、高い場所代、運搬費用や人件費などその他も様々な費用がたくさんかかります。ですからお金に余裕のないアーティストは、なかなか個展ができないというのが実情であります。

(作業の様子:漆芸の下地工程)

〔新型コロナウイルスが新たな文化を作り出した〕

(写真:2020/2/1・第33回川本町音楽芸術祭の展示会の一コマ)

つい最近まで、百貨店や、アートギャラリー、画廊などは新型コロナウイルスの関係で軒並み休業していました。そこで、オンライン展示と言うのが広がりはじめました。オンライン展示では「実際に目の前で実物を見ることができないデメリット」があるものの、遠方の方にも見てもらえるというメリットがあるようでネット環境があればすぐにみれる仕組みのようです。
オンラインショップと、オンライン展示会の違いが、まだよく勉強不足でわかっていないのですが、海外個展も、もしかしたらそう遠くない夢になりつつあるかもしれません。また、オンライン展示会が受け入れられてきたら、どこに住んでいても世界中の方々に、
展示をみてもらえるチャンスがあります。それは、地方に暮らしている私自身にとっても、すごく魅力的な取り組みです。

 

〔価値観の違いを知ること〕

海外での個展をする際に、各国によって価値観の違いが必ずあると想定されます。アメリカ・フランス・イギリス・中国・シンガポール・台湾… なんとなく、どの国も国民性も違うし、価値観、生活様式も違います。また、国々でも住んでいるエリアや、それぞれの所得によっても価値観は多様にあります。ここ、川本町だって例外ではありません。

私の作る作品は、陶芸と漆芸の融合(陶胎漆器・磁胎漆器)で、時間も手間も何倍もかかってしまいます。そのため、どうしてもコストが高くなります。磁胎漆器の茶碗を10万円で売っても、赤字になります。作ればつくるほど、苦しくなる値段で売ると言う悪循環に陥らないようしなくてはいけないことも日々考えています。「この壺が100万円?誰が買うの?需要あるの?」なんて、言われる日も近いのではないでしょうか。笑
例えば、これを読んでいる人たちにもこんな経験がありませんか。
「よくあんな人と付き合っているわね」
「あの人がモテるなんて信じられない…」
「あんな趣味の悪い服、私は着れないわ」
「なんでパクチーなんて食べられるの」
私自身もこういった会話を、結構今まで散々耳にしたことがありました。そして、言ったこともありました。その口調の中には、どこか嫉みのようなものが感じられる言葉の数々です。私自身、気づかないうちに発してしまっていて、振り返っては反省しています。
ちなみに私はパクチーが好きです。大好物です。それだけは伝えたいです。(パクチー農家さん、ありがとうございます。)

 

〔落語から学ぶ価値観のお話〕

さて、今日は、こんな面白いお話をご紹介します。
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《一眼国》
昔、「一つ目の国」があるという噂を聞きつけた男がいました。
男は「『一つ目小僧』をさらってきて見世物小屋に出せば大儲けできる」
と目論み、探しに行くことにします。
男は尋ね歩いた先でようやく「一つ目小僧」を見つけ、
見世物小屋に出すため捕まえようとするのですが、
なんと、現地人に逆につかまえられてしまいます。
そして、こんな言葉をかけられます。
「こいつは珍しい、二つ目をしている。見世物小屋に売り飛ばせ!」
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これは、自分たちが抱いている価値観は、あくまでも自分たちのエリアでしか通用しないという真理のお話です。ものづくりをする上でも、価値観の多様性をもっと勉強しなくてはいけないな…と、日々反省しています。

 

〔前向きに〕

(漆芸作業の様子:下地工程スプーン)

また、「新型コロナウイルスの影響で今の仕事がなくなるかも…」と言う声をきいていて、気づいたことがありました。初めから、わたしのやっている螺鈿の磁胎漆器の分野なんてほぼ無いところからスタートなのですから、やる事はコロナの前後も変わっていないと言うことです。

それに気づくと、コロナで悲観的に考えていた思考が一気にポジティブになりました。コロナで変わりつつある生活様式や社会情勢に抗ってみるよりも、変化する環境に合わせて価値観を柔軟にアップデートしてみる方が前向きでいいのかもしれません。いろんな国があって、人種、地域、価値観、それぞれこの世界は一人として同じ人はいません。だから価値観って、面白いし、違うって、面白いのです。私は「次世代に日本のものづくりのバトンを繋げたい」と言う信念があります。一人でも多くの人に、ものづくりを通して「ハッピー」をお届けしたいのです。それぞれができることを、前向きに頑張っていきましょう。私も日々前向きに頑張って参ります!

みなさんへ「ハッピー」をお届けするには、まず自分自身がどんな時でも前向きな価値観で取り組むことが大切だと信じています。

小林 紗友里
〔1990年東京生まれ、埼玉県育ち/川本町地域おこし協力隊/陶と漆と釉、美術作家/
2021年冬の展示会に向けて、日々制作中。〕
公式Instagramでは、制作工程やこれまでの作品などを日々更新しております⭐
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URL https://www.instagram.com/sayuri_kobayashi8/

 

小林 紗友里

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