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ノスタルジックな風景!川本町を彩る赤褐色の屋根

私は、埼玉県からIターンで今年の夏に川本町へやってきました。

最寄りのバス停は旧JR三江線の石見川本駅というところです。

昨年、JR三江線が廃線になってから広島駅から川本町への公共交通機関でのアクセスは一日2本の高速バスのみになりました。

埼玉の実家を朝の六時に出発し、電車・新幹線・高速バスを乗り継ぎ、川本町の家につくのは夕方六時頃です。

約12時間の旅で辿り着く川本町は、中山間地域で深い山々の中にある町です。

今日は、私が守りたいと思った旅先にある美しい景色についてお話します。

広島駅から川本町への道中、中山間地域の屋根の景色がノスタルジックで美しいということをご存じでしょうか。

ほとんどが赤褐色の屋根瓦で、その景色はクロアチアのドブロヴニク旧市街を彷彿とさせます。

山々の中に、ぽつりぽつりと佇む赤褐色の和風建築の屋根瓦の景色がとても好きです。

なぜみんなこの瓦にしているのでしょうか。

不思議に思い、石州瓦を製造している島根県江津市にある木村窯業所の木村さんへお話を伺いにいきました。

「石州瓦は寒さに強く、水を通さず、とにかく固くて丈夫な瓦。」

これは瓦職人さんの間で、昔から語り継がれてきた言葉だそうです。

この日本海沿線の寒くて積雪の多い地域は曇りが多く日照時間も少ないです。

そのため、石州瓦との相性が抜群で、400年もの間、数多くの家の屋根瓦に選ばれ続け、現在は全国的にも評価されており、塩害の多い沖縄などにも石州瓦が採用されているそうです。

見た目だけではない石州瓦を「いつか私の家の屋根にも」と憧れています。

昔の住まいは、強靭な基礎と構造で作られた躯体(くたい)を、重い瓦屋根でさらに上から押し付け、大地にしっかりと根を降ろす家を作ってきました。

「根を張る屋(家)」と書いて屋根と読むのもここからきています。

躯体がしっかりしていれば、重い屋根は地震だけでなく風にも負けない住まいを造ります。

寺社仏閣など、昔からある日本家屋の様式の建物が、今もなお残っている理由の一つだと思います。

2020年は東京オリンピックがあり、インバウンドの需要が高まってきています。

中でも、屋根瓦の日本家屋や畳などは日本の伝統的な様式として認知されており、今後も日本の魅力の一つとしてアピールすべき住居文化だと感じています。

しかし、社会問題となっている古民家の空き家も、たくさんあります。

この先も、1人1人が赤褐色の屋根の家に根を張って暮らし、この美しい景色を守っていくことができるのでしょうか。

私はこの美しき赤褐色の屋根瓦の景色を、この先もずっと眺め続けることはできるのでしょうか。

ライター:Iターン小林

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