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多数の海外公演も行う川本町の伝統郷土芸能・江川太鼓

10月5日(土)に松江市のTSK山陰中央テレビ特設会場にて「第9回輝けイレブンしまね町村フェスティバル」が開催された。

しまねの輝く11町村が集まり、町村物産販売コーナーやしまねのご当地キャラが大集合した。特設ステージでは2日間に渡りそれぞれ町村の伝統芸能が披露された。その際、川本町からは伝統郷土芸能の「江川太鼓」の演奏が行われ、心臓に響く迫力満点な曲の数々を演奏し、観客を魅了した。

今回はそんな川本内外でも人気の江川太鼓の取材特集である。ステージ上のパフォーマンスではきくことはできない、結成の秘密や、それぞれの曲にこめられている想いをピックアップして紹介していこう。

時は遡り、昭和47年。江の川は集中豪雨により大洪水となった。江川太鼓会長、森脇淳宏さんによると、当時被害が大きく再起不能と言われ、町民全体が暗く沈み途方にくれた。町の若者が集まり、町民の元気を取り戻すにはどうしたらいいのかと話し合いが行われた。そして、太鼓の雄壮な響きに川本町の復興を託そうと若者達が立ち上がったのが、江川太鼓結成の一歩だそう。その歩みは今年で47年目を迎えた。

独創的で魅力的な曲や振りつけが多い江川太鼓。太鼓は叩く力の微妙な強弱や、叩く場所によって音色が変わる。全員で同じ音を出すという単純にみえることも、一人ひとりが音量・所作などを揃えて叩かなければならないなど、曲を覚えること以外にも難しいことが多いそうだ。楽譜よりも実際に練習することで身につくということもあり、毎週メンバーは集まって稽古を積んでいる。

江川太鼓が演奏する曲は自然をテーマとしたものが多く、川本の人々の生活やリズム、郷土芸能がみえてくる。中でも「中国太郎」という曲は、江川太鼓の看板曲で“仁輪加囃子”“田植え囃子”“神楽囃子”などを基調とした全10曲から構成される組曲だ。中国太郎とは、川本町を流れる江の川のことで川沿いに広がるのどかな田園風景や川が増水し荒れ狂う様子を、様々なリズムを織り交ぜながら表現している。また、「タオ」という曲は陶器を作る様子を表現しておりしなやかな所作と力強い曲調が特徴だ。

 

平成5年以降、ヨーロッパを中心とした海外公演も実施しており主にドイツやデンマークと交流がある。特にデンマークのコペンハーゲンで活動している太鼓グループとは、グループ結成にも関わり、立ち上げ時の道具の手配や演奏の指導などを行った。現在でも2年に一回お互いの国を行き来し太鼓を通した交流を続けている。最近では平成30年に江川太鼓がデンマークを訪問し、数カ所で一緒にコンサートを行った。定期的に国内外での公演もあるので練習も緊張感があるそうだ。

 

 

 

ライター:Iターン小林

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